シュミレーション実習から学んだこと

シュミレーション実習とは

この授業では、学生が、患者側・術者側に分かれて授業をする。

お互いの立場に立つと、どのようなことが重要か分かるだろうという話である。

実際にやってみると、いろんな気づきはあるらしい。

・でも、自分で気がつかないところはどうするべきかを説明する機会が無い。

→なぜなら、教員側にフィードバックする時間は与えられていないからである。

このおもしろい授業をやってみて、分かったことがあった。

学生は、点と点で授業を受けているということである。

点が線にならなければ、「患者への診療」は結びつかない。社会人経験がある人から見れば、それは自分たちで構築するものであると思っているかも知れないが、与えられているのに慣れている学生は、待っていれば、それを線としてつなげてもらえると思っているようで、いつまで経っても、線にはならない。

今年のチャレンジ

今年は、シュミレーション実習に入る前に鍼灸の治療所の流れの見学をした。

  • なぜ、シュミレーション実習をするのか。
  • 何のための授業なのか。
  • 患者さんを見る現場を知ってもらう

これらを目的にシュミレーション実習に入る前に鍼灸治療所を見てもらった。それにより、「象にやる気を与える」事は成功したようだった。

さらにやってみたこと

次に、評価表を説明した。先生方がどこを見ているのか、何をチェックしているの分からなければ、自分たちが何をすべきか分からない。そう思ったので、評価表を一つづつ説明して、過去に失敗していた先輩の例も含めて、説明していった。メモを取る学生もいるが、そうでもない学生もいる。一つ分かったことは、質問・確認がある学生ほど、やはり、やるべき事が分かっていた。

「象使いに方向を教える」であるということが分かった。

ただ、やはり、点と点は学んでいるが、流れがつかめていない状況である。

どうすれば線になるのか

ちゃんと「道筋を定めてあげる」必要がある事に気がついた。実際にやっているのを見せるのである。

まず、患者さんが来たと頃からスタートする。

  • 挨拶をする
  • 自己紹介をする
  • これらから何をするか説明する。(問診しますね。)
  • 問診をして、必要に応じて検査もしていく。
  • 必要な検査をまとめる。(頭の中で構築していく)
  • 問診内で見れない部分の検査をする(筋性なのか、神経学的所見の有無、東洋医学的臓腑弁証などに必要な検査)
  • 問診結果・検査結果から評価(証)を立て治療方針を考える。
  • その治療方針が正しいかどうか、小さくテストする。(脈診、腹診、他の理学的検査を駆使して、反応を見る)
  • 本格的に治療をする
  • その後の評価をする
  • カルテに記入していく。(鍼チェックも忘れずに)

こんな流れである。

それぞれの項目でやるべき事、注意する点は決まっていて、それを授業で習っているが、当たり前の流れである線が見えていない。

人によっては、注意する点すら、覚えていないから、機械のミスや自分が思っている治療ができない。でも、フィードバックもないから、それで良いと思っている。

これは、4年生に限った話ではないが、あと、半年で卒業していく学生にとっては、重要だと思われる。今一度、考えておくべき事ではないだろうか。